家電の昭和史エアコン

 家電の昭和史 (家電月報「ALLE」平成18年5月~平成22年2月掲載)

このシリーズは「家庭電気機器変遷史」(当会の創立50周年記念行事として発行:平成11年9月)をもとに、社会の出来事なども交えながら、家電製品の主な歴史について編集したものです。

【ご注意】本サイトに掲載した記述は、各発行時点の内容です。実際と異なる点がありましたらご了承願います。

エアコン編(昭和20年~60年代/2007年5月・6月号掲載)

 

ルームエアコンは、最初は空気調整機と呼ばれ、国産第1号は、昭和10年に生産されました。当初は高価であったため、ごく少数の劇場や事務所などで使われていましたが、一般家庭に普及したのは、昭和40年代に入ってからです。

 

◆昭和27(1952)年 空気調整機の本格的な量産。販売が開始されました。当時、室外機。室内機は一体型で、壁から室外機が突き出ているものでした。また、窓に設置するウインドウタイプも、この年に発売されています。
◆昭和33(1958)年

名称が「ルームクーラー」に統一されました。タイプは、ウインド型(空冷式)とフロア型(水冷式)があリ、各社で広く生産されるようになりました。この年には、あの巨人軍の長嶋茂雄選手が新人王に選ばれ、川上哲治氏が引退を発表しました。

◆昭和34(1959)年

室外機と室内機が分離したセパレート型クーラーが発売されました。また、コンプレッサーの2極化により小型軽量化が進み、据付けが簡単になりました。この年から昭和36年までが岩戸景気と呼ばれ、日本の経済は、高度成長期を迎えていました。

◆昭和35(1960)年

冷房専用型の冷媒ガスの流れを切り替え、冷房だけでなく暖房もできる機構を組み込んだ機種(ヒートポンプ式)が発売されました。この機種は補助ヒーターが取付可能で、風量も2段切替ができるものでした。この年、池田内閣の「所得倍増計画」が発表され、自民党がテレビCMで使用した「私は嘘は申しません」が流行語になりました。

◆昭和40(1965)年

「ル一ムクーラー」が「ルームエアコン」に名称変更され、新たにJIS規格が制定されました。

◆昭和43(1968)年

ロータリーコンプレッサーを採用し、小型・軽量・静音化が一段と進んだエアコンが発売されました。また、設定温度により、ファンスピードが自動的に変化するファンモーターの無段階変速可能タイプも発売されています。

◆昭和44(1969)年

横に長く高風力で省エネになる貫流ファンを採用した機種が発売され、各社が採用するようになりました。また、熱交換器の効率を高めるため波形の形状をしたコルゲートフインの採用による横長形のユニットは、団地など集合住宅への普及が進みました。

◆昭和46(1971)年

1台の室外機で2~3室の空調が可能な多室型エアコンが発売され、その翌年には、冷房・暖房兼用のヒートポンプ式(多室型)エアコンが発売されました。

   

この後、オイルショックを機に、ルームエアコンは省電力型の機種が登場します。

 
●主なエアコンの歴史
昭和10(1935)年

国産初の空気調整機生産開始

昭和24(1949)年 温泉旅館などにも設置され始める
昭和27(1952)年 室外機・室内機一体型を本格的に量産開始
昭和33(1958)年 「ルームクーラー」に名称統一
昭和34(1959)年 セパレート型クーラー発売
昭和35(1959)年 ヒートポンプ式エアコン発売
昭和40(1965)年 「ルームクーラー」から「ルームエアコン」に名称変
昭和41(1966)年 この頃から一般家庭に急速に普及し始める
昭和42(1967)年 除湿回路付きドライタイプエアコン発売
昭和43(1968)年 ロータリーコンプレッサー採用のエアコン発売
昭和44(1969)年 壁掛セパレートエアコン発売
昭和46(1971)年 多室型エアコン発売
昭和49(1974)年 省電力型エアコン発売

平成19年6月号掲載

 

エアコン 後編(昭和50~60年代)

昭和50年代に入るとICやマイコンによる制御機能が搭載され、さらに現在主流となっているインバーター制御のエアコンも登場してきます。

 
◆昭和52(1977)

おやすみタイマーなどの機能を持つIC制御のエアコンが発売されました。

◆昭和53(1978)

マイコン制御タイプが発売されて、温度、風量、時間などがプログラム運転できるようになり、操作性と快適性が一段と向上しました。また、高齢者や身体の不自由な人にも簡単に、離れた所から超音波で操作できる温・湿度リモートセンサー付きワイヤレスリモコン式エアコンが発売されました。

◆昭和56(1981)

周波数変換装置(インバーター)で、コンプレッサーの回転数を自在に変えられる新しいタイプのインバーターエアコンが発売されました。

◆昭和57(1982)

ヒートポンプ式の室外ユニット、冷房室内ユニット(床置型)、床パネルで構成された床暖房エアコンが発売されました。また、マイコンの声が、現在の室温、設定温度、フィルター掃除の時期などの上手な使い方の情報を教えてくれる音声合成LSI採用のルームエアコンが発売され、使い勝手が向上しました。

◆昭和58(1983)

単に冷房や暖房だけでなく、活動、眠り、語らい、くつろぎといった生活環境に合わせて温度や湿度、照明を総合的に自動コントロールするエアコンが発売されました。千葉県浦安市に東京ディズニーランドが開園したのはこの年です。

◆昭和60(1985)

部屋の壁や床の温度を感知し、冷暖房時の気流やパワーコントロールを行う輻射熱センサー搭載エアコンが発売されました。この年、放送されたテレビドラマがヒットして金妻ブームとなり、そのドラマの主題歌が、カラオケでよく歌われたものです

◆昭和62(1987)

蓄熱材を内蔵して運転開始時の暖房性能を向上させ、低外気湿地区(-15℃以下)でも十分に暖房効果を発揮できる蓄熱式インバーターエアコンが発売されました。

◆昭和63(1988)年

帯電フィルターで空気清浄を行い、0.01ミクロンまでの塵・挨を除去する電気集塵式空気清浄機搭載のエアコンが発売されました。また、2つのローターを交互に回転させることで、バランス特性と効率を大幅に向上させ、低振動・低騒音を実現したツインロータリーコンプレッサー搭載のエアコンも発売されました。

   

昭和の末期に冷暖房・除湿・換気に配慮した機種が出始めたエアコンは、平成に入るとさまざまなセンサーの搭載により、省エネ性能はもちろん、空調機能を改善し、快適な生活環境を作り出すエアコンへと進んでいきます。

   
●主なエアコンの歴史  
昭和51(1976)年
薄型軽量機種発売
昭和52(1977)年
|C制御エアコン発売
昭和53(1978)年
ワイヤレスリモコン式エアコン発売
昭和54(1979)年
3室同時冷房マルチエアコン発売、上下2か所から冷風を吹き出し方
式エアコン発売
昭和55(1980)年
ウインドファン自動切替えエアコン発売
昭和56(1981)年
インバーターエアコン発売
昭和57(1982)年
床暖房エアコン発売、光センサーエアコン発売、直流インバーター
冷暖房3室マルチエアコン発売
昭和58(1983)年
ドレン処理が不要なウインドエアコン発売
昭和60(1985)年

輻射熱センサー搭載エアコン発売、電気集塵式空気清浄機搭載のエ

アコン発売

昭和62(1987)年
蓄熱式インバーターエアコン発売
昭和63(1988)年
ツインロータリーコンプレッサー搭載のエアコン発売